伸び上がる邪な黒い光の中に、深い藍色の長い髪がざわめくように揺れている。
以前は、見事な栗毛であったはずのその髪・・・
どこか冷酷に、されど美しく輝く両眼は、魔法剣士ジェスターと同じ燃え盛る炎のような緑玉の瞳であった。
そして、その顔立ちもまた、生き写しのように彼と同じ・・・
ジェスターの緑玉の眼差しが、自分と同じその両眼を、今、真っ向から睨みつける。
同じ一族、同じ両親から生まれ、同じ容姿を持ちながらも相反する立場に置かれた者達が、今、邪気に満たされた空間で対峙している。
「さしあたって、今宵、そなたの相手をするが目的ではない・・・ただ、【鍵】を持つ者を探しに来たまでよ・・・そこを退(の)くがいい」
冷酷な響きを持つ声が、どこか嘲笑するようにそう言いながら、黒衣を纏った腕が緩やかに持ち上がり、次の瞬間、かざされた掌には、地獄に燃える火のような紅い業火が湧き上がった。
一瞬の間もおかずに、その炎が激しい火の粉と閃光の帯を引いて豪速でジェスターに向かって解き放たれる。
ジェスターの両眼が鋭利に発光して、深紅の火炎と共に足元から吹き上がった金色のオーラが透明な壁を作り上げて、その炎を眼前で千々に打ち砕いた。
時を同じに彼の爪先が床を蹴り、砕けた炎の断片が舞う最中を、金色の刃をかざし、魔王と呼ばれる青年ゼラキエルに向かって、俊足で疾走して行く。
「今のおまえを、兄弟なんかとは思っちゃいない・・・俺はおまえの体も魂も、この世から抹消するだけだ・・・・・・!」
ぶぅんという鋭い唸りを上げて、迅速に翻された金色の大剣が、ゼラキエルに向けて閃光の帯を引いた。
その剣から立ち昇る黄金の輝きが、闇に満たされた王宮の只中に美しく鋭い弧を描く。
黒衣を纏ったゼラキエルの体が、ふわりとその妖の刃を退いて、あざ笑うかのように宙に踊った。
「愚か者よ、まだ時は来ぬと言うのに・・・・・やれるものなら、やってみるがいい・・・」
カッとその緑玉の瞳が見開かれると、奇妙な低音と共に眼前の空間が歪み、その中から無数の闇の魔物が姿を現してくる。
以前は、見事な栗毛であったはずのその髪・・・
どこか冷酷に、されど美しく輝く両眼は、魔法剣士ジェスターと同じ燃え盛る炎のような緑玉の瞳であった。
そして、その顔立ちもまた、生き写しのように彼と同じ・・・
ジェスターの緑玉の眼差しが、自分と同じその両眼を、今、真っ向から睨みつける。
同じ一族、同じ両親から生まれ、同じ容姿を持ちながらも相反する立場に置かれた者達が、今、邪気に満たされた空間で対峙している。
「さしあたって、今宵、そなたの相手をするが目的ではない・・・ただ、【鍵】を持つ者を探しに来たまでよ・・・そこを退(の)くがいい」
冷酷な響きを持つ声が、どこか嘲笑するようにそう言いながら、黒衣を纏った腕が緩やかに持ち上がり、次の瞬間、かざされた掌には、地獄に燃える火のような紅い業火が湧き上がった。
一瞬の間もおかずに、その炎が激しい火の粉と閃光の帯を引いて豪速でジェスターに向かって解き放たれる。
ジェスターの両眼が鋭利に発光して、深紅の火炎と共に足元から吹き上がった金色のオーラが透明な壁を作り上げて、その炎を眼前で千々に打ち砕いた。
時を同じに彼の爪先が床を蹴り、砕けた炎の断片が舞う最中を、金色の刃をかざし、魔王と呼ばれる青年ゼラキエルに向かって、俊足で疾走して行く。
「今のおまえを、兄弟なんかとは思っちゃいない・・・俺はおまえの体も魂も、この世から抹消するだけだ・・・・・・!」
ぶぅんという鋭い唸りを上げて、迅速に翻された金色の大剣が、ゼラキエルに向けて閃光の帯を引いた。
その剣から立ち昇る黄金の輝きが、闇に満たされた王宮の只中に美しく鋭い弧を描く。
黒衣を纏ったゼラキエルの体が、ふわりとその妖の刃を退いて、あざ笑うかのように宙に踊った。
「愚か者よ、まだ時は来ぬと言うのに・・・・・やれるものなら、やってみるがいい・・・」
カッとその緑玉の瞳が見開かれると、奇妙な低音と共に眼前の空間が歪み、その中から無数の闇の魔物が姿を現してくる。


