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シァル・ユリジアン大陸最大の大国リタ・メタリカに、再び、夜の女神が両手を広げ、黒絹の空に幾千幾万と輝く星々の宝石を引き連れながら、広大な空を覆い尽くしていた。
ランドルーラの村を出て、北西の国々に続く大街道銀楼の道(エルッセル)を北に上り始めてから、半日が過ぎていた。
花形である踊り子を失い、悲嘆に暮れるジプシーの一団に背中を向けて、アーシェの魔法剣士はリタ・メタリカの姫君を連れてかの地を発った。
ジプシーの者からすれば、彼、異形の瞳を持つ魔法剣士ジェスターは、イリーネを手に掛けておきながら、躊躇いもせずにその地を離れた者だ、実に薄情で惨(むご)い青年だというように映っただろう・・・
しかし・・・・
街道から少し入った森の中に火を焚いて、美しく勇ましいリタ・メタリカの第一王女リーヤティアは、膝を抱えながら地面に座り込み、生い茂る木々の合間から、暗い夜空に煌く星々の瞬きを眺めていた。
夜空を見上げる、晴れ渡る空を映したような澄んだ紺碧色のその瞳。
彼女は、知っている。
ランドルーラを出てから、押し黙って真っ直ぐに前を見つめていた、彼のあの緑玉の眼差しが、言い知れぬ深い悲しみの光を宿していたことを。
その表情にも口にも全く出すことはないが、賢く聡明な彼女は、彼の胸の内にある悲痛な感情を、実に敏感に感じ取っていたのである。
シァル・ユリジアン大陸最大の大国リタ・メタリカに、再び、夜の女神が両手を広げ、黒絹の空に幾千幾万と輝く星々の宝石を引き連れながら、広大な空を覆い尽くしていた。
ランドルーラの村を出て、北西の国々に続く大街道銀楼の道(エルッセル)を北に上り始めてから、半日が過ぎていた。
花形である踊り子を失い、悲嘆に暮れるジプシーの一団に背中を向けて、アーシェの魔法剣士はリタ・メタリカの姫君を連れてかの地を発った。
ジプシーの者からすれば、彼、異形の瞳を持つ魔法剣士ジェスターは、イリーネを手に掛けておきながら、躊躇いもせずにその地を離れた者だ、実に薄情で惨(むご)い青年だというように映っただろう・・・
しかし・・・・
街道から少し入った森の中に火を焚いて、美しく勇ましいリタ・メタリカの第一王女リーヤティアは、膝を抱えながら地面に座り込み、生い茂る木々の合間から、暗い夜空に煌く星々の瞬きを眺めていた。
夜空を見上げる、晴れ渡る空を映したような澄んだ紺碧色のその瞳。
彼女は、知っている。
ランドルーラを出てから、押し黙って真っ直ぐに前を見つめていた、彼のあの緑玉の眼差しが、言い知れぬ深い悲しみの光を宿していたことを。
その表情にも口にも全く出すことはないが、賢く聡明な彼女は、彼の胸の内にある悲痛な感情を、実に敏感に感じ取っていたのである。


