「貴女は・・・・昨日の・・・?」
僅かばかり驚いた様子で呟くようにそう言ったリーヤの元に、艶やかに微笑みながら琥珀色の長い髪を揺らし、ゆっくりとイリーネが近づいてくる。
「イリーネにございます・・・・リタ・メタリカの姫君、アランが戻るまで、ご一緒いたしませんか?」
そう言うなり、彼女の手が、静かにリーヤの手を取った。
「あ・・・・っ」
戸惑った顔をして歩くリーヤを、彼女はゆっくりとした歩調で宿の裏口へと誘っていく。
リーヤが、どこか腑に落ちぬ様子で綺麗な眉を寄せた時、その細い腰に差された『無の三日月』が、まるで脈を打つように、一定の間隔で振動し始めたのである。
何・・・・?
それが一体何を示唆しているか、全く見当もつかないまま、リーヤは、熱を帯びていく『無の三日月』に片手をかけた。
そんな彼女の眼前で、イリーネの手が静かに裏口の扉を押し開ける。
ぴんと張り詰めたような朝の空気の中に、太陽の金色の断片が降り注ぎ、ざわめく風が、そこに広がる森の木々を静かに揺らしていた。
だが、天空高く響いた風の精霊の警告は、そんなリーヤの耳には届かなかったのである。
こちらに背中を向けたまま森の中へと歩み入る、どこか憂いを含んだイリーネの声が、ふとリーヤに語りかけてきた。
「貴女様と・・・・あの人は・・・・まるで、エスターシアとイグレシオのようですね・・・・?リタ・メタリカの姫君と、アーシェ一族の魔法剣士だなんて・・・」
「え?」
彼女の言っている事の意味がわからずに、朝日を受けて輝く紺碧色の巻き髪を揺らして、リーヤは、怪訝そうに小首を傾げた。
「それは・・・・どういう意味ですか?イリーネ?」
「お判りになりませんか?貴女様と同じ、リタ・メタリカの王女であったエスターシアの話を?」
「・・・・・・・・」
そういえば、昔、侍女に聞いたことがある。
僅かばかり驚いた様子で呟くようにそう言ったリーヤの元に、艶やかに微笑みながら琥珀色の長い髪を揺らし、ゆっくりとイリーネが近づいてくる。
「イリーネにございます・・・・リタ・メタリカの姫君、アランが戻るまで、ご一緒いたしませんか?」
そう言うなり、彼女の手が、静かにリーヤの手を取った。
「あ・・・・っ」
戸惑った顔をして歩くリーヤを、彼女はゆっくりとした歩調で宿の裏口へと誘っていく。
リーヤが、どこか腑に落ちぬ様子で綺麗な眉を寄せた時、その細い腰に差された『無の三日月』が、まるで脈を打つように、一定の間隔で振動し始めたのである。
何・・・・?
それが一体何を示唆しているか、全く見当もつかないまま、リーヤは、熱を帯びていく『無の三日月』に片手をかけた。
そんな彼女の眼前で、イリーネの手が静かに裏口の扉を押し開ける。
ぴんと張り詰めたような朝の空気の中に、太陽の金色の断片が降り注ぎ、ざわめく風が、そこに広がる森の木々を静かに揺らしていた。
だが、天空高く響いた風の精霊の警告は、そんなリーヤの耳には届かなかったのである。
こちらに背中を向けたまま森の中へと歩み入る、どこか憂いを含んだイリーネの声が、ふとリーヤに語りかけてきた。
「貴女様と・・・・あの人は・・・・まるで、エスターシアとイグレシオのようですね・・・・?リタ・メタリカの姫君と、アーシェ一族の魔法剣士だなんて・・・」
「え?」
彼女の言っている事の意味がわからずに、朝日を受けて輝く紺碧色の巻き髪を揺らして、リーヤは、怪訝そうに小首を傾げた。
「それは・・・・どういう意味ですか?イリーネ?」
「お判りになりませんか?貴女様と同じ、リタ・メタリカの王女であったエスターシアの話を?」
「・・・・・・・・」
そういえば、昔、侍女に聞いたことがある。


