「大変!大変なの!!ま、ま、魔物が・・・・!」
大きく肩で息をしながら、琥珀の髪を綺麗な頬に張り付かせ、彼女は、きょとんとする二人の眼前に、激しく上がった息のままで立った。
そして、その茶色の瞳で、怪訝そうに眉を潜めたジェスターの顔を見上げると、まくし立てるように言うのである。
「アラン!大変なの!ちょっと、ちょっと来て!!魔物が、魔物が出たのかもしれないって大騒ぎなの!!」
そう言って、へディートは、何の遠慮もなしにジェスターの二の腕を掴んだ。
僅かに鋭く細められた彼の緑玉の瞳と、リーヤの凛とした紺碧色の瞳が合う。
「リーヤティア、此処で少し待ってろ」
「わかりました」
凛と強い表情をして素直に頷くリーヤを見届けると、ジェスターは、へディートと共に彼女の元を後にした。
リタ・メタリカの姫君が持つ澄み渡る紺碧色の瞳の先で、彼の纏う深い紫色の衣が、宿の出口へと遠ざかっていく。
その姿を見送りながら、廊下の窓から差し込む淡い朝の光の中で、リーヤは、さりげなく、腰に差した『無の三日月(マハ・ディーティア)』に手を置いたのだった。
その時不意に、『無の三日月』が微かに振動しながら熱を帯びたことを、彼女のしなやかな指先が感じ取ったの。
「え?」
リーヤは、怪訝そうに綺麗な眉を寄せ、その晴れ渡る空の色をした紺碧色の視線を、腰に差した『無の三日月』に向けた。
きちんと鞘に収まっている赤き刃の短剣が、まるで、彼女に何かを知らせるかのように、微かな朱の光を放っている。
僅かに驚愕して、その刃を抜こうとした時、背後から突然、聞き慣れぬ女性の声が響いてきて、彼女は、緋色のマントを羽織る肩を震わせた。
「姫君・・・・・」
ゆっくりと振り返るリーヤの視線の先に、いつの間にか、あの美しいジプシーの踊り子イリーネが立っていたのである。
大きく肩で息をしながら、琥珀の髪を綺麗な頬に張り付かせ、彼女は、きょとんとする二人の眼前に、激しく上がった息のままで立った。
そして、その茶色の瞳で、怪訝そうに眉を潜めたジェスターの顔を見上げると、まくし立てるように言うのである。
「アラン!大変なの!ちょっと、ちょっと来て!!魔物が、魔物が出たのかもしれないって大騒ぎなの!!」
そう言って、へディートは、何の遠慮もなしにジェスターの二の腕を掴んだ。
僅かに鋭く細められた彼の緑玉の瞳と、リーヤの凛とした紺碧色の瞳が合う。
「リーヤティア、此処で少し待ってろ」
「わかりました」
凛と強い表情をして素直に頷くリーヤを見届けると、ジェスターは、へディートと共に彼女の元を後にした。
リタ・メタリカの姫君が持つ澄み渡る紺碧色の瞳の先で、彼の纏う深い紫色の衣が、宿の出口へと遠ざかっていく。
その姿を見送りながら、廊下の窓から差し込む淡い朝の光の中で、リーヤは、さりげなく、腰に差した『無の三日月(マハ・ディーティア)』に手を置いたのだった。
その時不意に、『無の三日月』が微かに振動しながら熱を帯びたことを、彼女のしなやかな指先が感じ取ったの。
「え?」
リーヤは、怪訝そうに綺麗な眉を寄せ、その晴れ渡る空の色をした紺碧色の視線を、腰に差した『無の三日月』に向けた。
きちんと鞘に収まっている赤き刃の短剣が、まるで、彼女に何かを知らせるかのように、微かな朱の光を放っている。
僅かに驚愕して、その刃を抜こうとした時、背後から突然、聞き慣れぬ女性の声が響いてきて、彼女は、緋色のマントを羽織る肩を震わせた。
「姫君・・・・・」
ゆっくりと振り返るリーヤの視線の先に、いつの間にか、あの美しいジプシーの踊り子イリーネが立っていたのである。


