「気丈な女よ・・・・誠、あの女性(にょしょう)に良く似ている・・・・・流石、恐れもせずに、わが身を刃で貫いた者だけはあるな・・・・」
さも愉快そうにそう言った魔物の姿が、不意に黒炎と共に彼女の眼前から姿を消した。
次の瞬間、魔王と呼ばれる青年の姿は、ラレンシェイのすぐ後ろに音もなく現れてくる。
驚愕して両眼を見開く彼女の腕を、彼は、一瞬の隙に強力で掴み上げたのだった。
「何をする!?離せ!魔物が!汚らわしい!!」
そう言って激しく抗うラレンシェイを、無理やり自分の方へと振り向かせると、ゼラキエルは、実に愉快そうな顔つきをして、美麗なその顔を眺めやる。
見事な赤毛の下で、怒りに歪んだ茶色の激しい眼差しが、臆すことなく、薄く笑うゼラキエルの端正な顔を睨み据えた。
「この私に軽々しく触れるでない!!」
強い口調でそう言い放った彼女の妖艶な唇を、不意に、魔王と呼ばれる青年の冷たい唇が塞いだ。
「!?」
大きく目を見開いた彼女は、両腕でその体を押し返しながら、思い切り、彼の唇の隅を噛み裂いたのである。
暗闇に鮮血が弾け飛び、素早く身を翻した彼女の眼前で、ゼラキエルの禍々しくも美しい緑玉の瞳が、僅かに細められた。
「私に触れるなと言ったはずだ!!」
「なるほど・・・・大した女よそなたは」
本来なら、魔物が持つはずのない赤い鮮血が、凛々しい唇からその顎へと滴り落ちている。
それを片手で拭いながら、ゼラキエルは、端正なその顔に、思惑ありげな邪な笑を浮かべたのだった。
強く気丈なラレンシェイの茶色の眼差しを、その緑玉の眼差しが真っ直ぐに見つめすえている。
さも愉快そうにそう言った魔物の姿が、不意に黒炎と共に彼女の眼前から姿を消した。
次の瞬間、魔王と呼ばれる青年の姿は、ラレンシェイのすぐ後ろに音もなく現れてくる。
驚愕して両眼を見開く彼女の腕を、彼は、一瞬の隙に強力で掴み上げたのだった。
「何をする!?離せ!魔物が!汚らわしい!!」
そう言って激しく抗うラレンシェイを、無理やり自分の方へと振り向かせると、ゼラキエルは、実に愉快そうな顔つきをして、美麗なその顔を眺めやる。
見事な赤毛の下で、怒りに歪んだ茶色の激しい眼差しが、臆すことなく、薄く笑うゼラキエルの端正な顔を睨み据えた。
「この私に軽々しく触れるでない!!」
強い口調でそう言い放った彼女の妖艶な唇を、不意に、魔王と呼ばれる青年の冷たい唇が塞いだ。
「!?」
大きく目を見開いた彼女は、両腕でその体を押し返しながら、思い切り、彼の唇の隅を噛み裂いたのである。
暗闇に鮮血が弾け飛び、素早く身を翻した彼女の眼前で、ゼラキエルの禍々しくも美しい緑玉の瞳が、僅かに細められた。
「私に触れるなと言ったはずだ!!」
「なるほど・・・・大した女よそなたは」
本来なら、魔物が持つはずのない赤い鮮血が、凛々しい唇からその顎へと滴り落ちている。
それを片手で拭いながら、ゼラキエルは、端正なその顔に、思惑ありげな邪な笑を浮かべたのだった。
強く気丈なラレンシェイの茶色の眼差しを、その緑玉の眼差しが真っ直ぐに見つめすえている。


