『あら・・・・どうなさったの?』
レイノーラの青玉の瞳が、一瞬にして怒りを忘れ、嬉々として輝いた。
深き藍の前髪から覗く、禍々しくも美しい緑玉の瞳が僅かに細められ、窓の向こうに閃いた紫色の雷光が、その端正な顔に性悪な影を落とす。
妖艶な唇で笑うレイノーラの美麗な顔を見つめながら、ゼラキエルの凛々しい唇が、何故か、彼女のとは違う別の女性の名を呼んだ。
『ラレンシェイと言ったな?それほどまでに、ロータスの者の心を乱すそなたを、もう一度見たくなったわ・・・・出て参れ』
その声が暗い宮殿の中に響き渡ると、レイノーラの体が、禍々しい黒炎が包み込まれた。
驚愕したように見開かれた彼女の青玉の瞳が、不意に、凛とした茶色の瞳へと変貌していく。
黒く長いその髪が、根元からあの見事な赤毛の髪へと成り果てて、彼女を取り囲む黒い炎が全て消えた時、その場に現れたのは、魔性の女レイノーラではなく、美麗な顔を厳しく歪め、激しい眼差しで魔王と呼ばれる青年の端正な顔を真っ向から睨み据える、異国の勇ましい女剣士ラレンシェイだったのである。
「なんの真似だ!!貴様!何を考えている!?」
強い口調でそう言って、ゼラキエルの腕を跳ね除けると、見事な赤毛を暗い虚空に弾ませながら、彼女は、素早く後方に飛び退いた。
なだらかな額に未だ浮かび上がっている、紫色の炎の紋章。
それは、あの女妖の魂がまだ彼女の内にあることを示している。
凄む美麗な異国の女剣士を、愉快そうな眼差しで見やりながら、肘掛に頬杖をついたままゼラキエルは言う。
「確かに・・・そなたは良い眼差しをしている・・・・それが、あのロータスの者を捕らえた所以か?」
「何を言っている貴様!?」
「だが、所詮そなたも手駒・・・あの者を翻弄させる手立てに過ぎぬ・・・・
どんな事があっても、ロータスの大魔法使いはそなたを討てまい・・・
それが、あやつの命を奪うことになるのだ」
「戯言を・・・・っ!もし、あの者が・・・・スターレットが私を討てないのなら、私自ら命を絶つまでだ!
それに、そう簡単に魔物に落ちるほど、アストラは腑抜けではない!」
凛とした鋭い茶色の眼差しが、薄ら笑いを浮かべるゼラキエルの顔を睨みつけている。
レイノーラの青玉の瞳が、一瞬にして怒りを忘れ、嬉々として輝いた。
深き藍の前髪から覗く、禍々しくも美しい緑玉の瞳が僅かに細められ、窓の向こうに閃いた紫色の雷光が、その端正な顔に性悪な影を落とす。
妖艶な唇で笑うレイノーラの美麗な顔を見つめながら、ゼラキエルの凛々しい唇が、何故か、彼女のとは違う別の女性の名を呼んだ。
『ラレンシェイと言ったな?それほどまでに、ロータスの者の心を乱すそなたを、もう一度見たくなったわ・・・・出て参れ』
その声が暗い宮殿の中に響き渡ると、レイノーラの体が、禍々しい黒炎が包み込まれた。
驚愕したように見開かれた彼女の青玉の瞳が、不意に、凛とした茶色の瞳へと変貌していく。
黒く長いその髪が、根元からあの見事な赤毛の髪へと成り果てて、彼女を取り囲む黒い炎が全て消えた時、その場に現れたのは、魔性の女レイノーラではなく、美麗な顔を厳しく歪め、激しい眼差しで魔王と呼ばれる青年の端正な顔を真っ向から睨み据える、異国の勇ましい女剣士ラレンシェイだったのである。
「なんの真似だ!!貴様!何を考えている!?」
強い口調でそう言って、ゼラキエルの腕を跳ね除けると、見事な赤毛を暗い虚空に弾ませながら、彼女は、素早く後方に飛び退いた。
なだらかな額に未だ浮かび上がっている、紫色の炎の紋章。
それは、あの女妖の魂がまだ彼女の内にあることを示している。
凄む美麗な異国の女剣士を、愉快そうな眼差しで見やりながら、肘掛に頬杖をついたままゼラキエルは言う。
「確かに・・・そなたは良い眼差しをしている・・・・それが、あのロータスの者を捕らえた所以か?」
「何を言っている貴様!?」
「だが、所詮そなたも手駒・・・あの者を翻弄させる手立てに過ぎぬ・・・・
どんな事があっても、ロータスの大魔法使いはそなたを討てまい・・・
それが、あやつの命を奪うことになるのだ」
「戯言を・・・・っ!もし、あの者が・・・・スターレットが私を討てないのなら、私自ら命を絶つまでだ!
それに、そう簡単に魔物に落ちるほど、アストラは腑抜けではない!」
凛とした鋭い茶色の眼差しが、薄ら笑いを浮かべるゼラキエルの顔を睨みつけている。


