咄嗟に差し伸ばされた長い指先に、びゅうんと高い音を立て、清らかな風を纏った蒼く輝く球体が浮かび上がる。
鋭利に引き結ばれていた知的なその唇が、人にあらざる古の言語を用い、封魔の呪文を紡ぎ出した。
『清らかなる風が運び歓喜の詩(うた) 翳りに嘆く悲哀の眼(まなこ)に光を与えん 其は御身を守りし滅封の唇 その歌声は闇を裂き 虚無の虚空に気高く響く』
揺らめきたった蒼いオーラが、掌(てのひら)に浮かび上がる風の球体に絡み付き、一度激しく発光すると、月明かりの舞い散る夜の薄闇を疾風と共に引き裂いて、一直線にレイノーラに向かってまかり飛んだのである。
苦悶のうちに苦々しく歪めた青玉の瞳。
舞い上がる黒炎がしなやかな彼女の肢体を覆い尽くすと、封魔の光球が到達する寸前、彼女の姿は、歪んだ空間の狭間へと吸い込まれて行った。
「この・・・・っ」
深紅に輝く彼の視界で、封魔の呪文が四散し、きらきらと輝きながら月明かりが照らし出す海辺の草原に舞い踊る。
またしても取り逃がしてしまった、ラレンシェイを抱くあの女妖・・・・
雅やかで秀麗なその顔を、険しい表情に歪めるスターレットの透き通るような蒼銀の髪が、海鳴りを孕む夜の潮風が乱舞していた。
しかし・・・・
あの異国の女剣士の心は予想以上に強靭だ、まだ、あともう少し時間があるかもしれない・・・・
鋭く細めた深紅の瞳が、緩やかに綺麗な銀水色の瞳へと戻っていく。
広い肩に羽織られた蒼いローブが、月下に翻った。
まだ、打つ手はある・・・・
切り立った断崖の草原に、強い海風が高い鳴き声を上げて吹き抜けて行った。
鋭利に引き結ばれていた知的なその唇が、人にあらざる古の言語を用い、封魔の呪文を紡ぎ出した。
『清らかなる風が運び歓喜の詩(うた) 翳りに嘆く悲哀の眼(まなこ)に光を与えん 其は御身を守りし滅封の唇 その歌声は闇を裂き 虚無の虚空に気高く響く』
揺らめきたった蒼いオーラが、掌(てのひら)に浮かび上がる風の球体に絡み付き、一度激しく発光すると、月明かりの舞い散る夜の薄闇を疾風と共に引き裂いて、一直線にレイノーラに向かってまかり飛んだのである。
苦悶のうちに苦々しく歪めた青玉の瞳。
舞い上がる黒炎がしなやかな彼女の肢体を覆い尽くすと、封魔の光球が到達する寸前、彼女の姿は、歪んだ空間の狭間へと吸い込まれて行った。
「この・・・・っ」
深紅に輝く彼の視界で、封魔の呪文が四散し、きらきらと輝きながら月明かりが照らし出す海辺の草原に舞い踊る。
またしても取り逃がしてしまった、ラレンシェイを抱くあの女妖・・・・
雅やかで秀麗なその顔を、険しい表情に歪めるスターレットの透き通るような蒼銀の髪が、海鳴りを孕む夜の潮風が乱舞していた。
しかし・・・・
あの異国の女剣士の心は予想以上に強靭だ、まだ、あともう少し時間があるかもしれない・・・・
鋭く細めた深紅の瞳が、緩やかに綺麗な銀水色の瞳へと戻っていく。
広い肩に羽織られた蒼いローブが、月下に翻った。
まだ、打つ手はある・・・・
切り立った断崖の草原に、強い海風が高い鳴き声を上げて吹き抜けて行った。


