*
「貴様!!何者だ!!?」
にわかに城を襲った前代未聞の怪異に、王宮へと走り込んだ近衛兵達の一人が、宮殿の扉に手をかけた明らかに城の者ではない見知らぬ青年に激しい声を上げた。
「言っておくけどな、この騒ぎは俺じゃねーぞ」
なにやらのんびりとした口調でそう言うと、リタ・メタリカの民族衣装を象った朱色の衣を翻し、その青年は、ゆっくりと背後を振り返る。
決して体格が良いと言う訳ではないが、すらりと伸びた長身と、大地を駈ける獣のように引き締まった肢体。
虚空に揺れるその髪は、まるで若獅子の鬣(たてがみ)のような見事な栗毛。
鋭く細められたその両眼は、このリタ・メタリカにおいて、古より異形(いぎょう)と呼ばれている・・・燃え盛る緑の炎のような鮮やかな緑玉の色をしていた。
揺れる栗色の前髪の下には、決して人の手で施されたものではない見事な彫刻が刻まれた、金色(こんじき)の二重サークレットが輝いている。
「貴様、魔法剣士か!?」
近衛兵の合間からどよめきが沸き起こる。
端正で凛々しいその顔立ちを、なにやら不敵な表情で歪めると、彼は何を思ったか、片手を近衛兵達に向けてかざしたのだった。
「雑魚は邪魔なんだよ・・・とりあえず、寝とけ」
ざわりと、その空間が、彼の肢体から沸き上がる言い知れぬ力にざわめいた。
異形と呼ばれる緑玉の両眼が、鋭利な刃のように閃くと、彼は、呪文と言われる古の言語を口にしたのである。
「ラムド(空破)」
とたん、激しくざわめく空気の球が、かざした掌(てのひら)で膨れ上がる。
次の瞬間、空を切り裂く鋭い音と共に、湧き上がった空気の球体が轟音を伴い、渦を巻く衝撃と成り虚空を切り裂いた。
豪速で解き放たれたそれは、激しい波動を巻き起こしながら、眼前にいる近衛兵達を次々と瞬時に薙ぎ倒していく。
それをまともにくらえば、打撲どころでは済まないだろう。
それは、まさに一瞬の出来事であった。
気が付けば、十数人はいただろう近衛兵達が、皆そろって床にひれ伏して苦痛にうめいているではないか・・・・。
「魔物に命を取られるよりは、ましだと思えよ」
「貴様!!何者だ!!?」
にわかに城を襲った前代未聞の怪異に、王宮へと走り込んだ近衛兵達の一人が、宮殿の扉に手をかけた明らかに城の者ではない見知らぬ青年に激しい声を上げた。
「言っておくけどな、この騒ぎは俺じゃねーぞ」
なにやらのんびりとした口調でそう言うと、リタ・メタリカの民族衣装を象った朱色の衣を翻し、その青年は、ゆっくりと背後を振り返る。
決して体格が良いと言う訳ではないが、すらりと伸びた長身と、大地を駈ける獣のように引き締まった肢体。
虚空に揺れるその髪は、まるで若獅子の鬣(たてがみ)のような見事な栗毛。
鋭く細められたその両眼は、このリタ・メタリカにおいて、古より異形(いぎょう)と呼ばれている・・・燃え盛る緑の炎のような鮮やかな緑玉の色をしていた。
揺れる栗色の前髪の下には、決して人の手で施されたものではない見事な彫刻が刻まれた、金色(こんじき)の二重サークレットが輝いている。
「貴様、魔法剣士か!?」
近衛兵の合間からどよめきが沸き起こる。
端正で凛々しいその顔立ちを、なにやら不敵な表情で歪めると、彼は何を思ったか、片手を近衛兵達に向けてかざしたのだった。
「雑魚は邪魔なんだよ・・・とりあえず、寝とけ」
ざわりと、その空間が、彼の肢体から沸き上がる言い知れぬ力にざわめいた。
異形と呼ばれる緑玉の両眼が、鋭利な刃のように閃くと、彼は、呪文と言われる古の言語を口にしたのである。
「ラムド(空破)」
とたん、激しくざわめく空気の球が、かざした掌(てのひら)で膨れ上がる。
次の瞬間、空を切り裂く鋭い音と共に、湧き上がった空気の球体が轟音を伴い、渦を巻く衝撃と成り虚空を切り裂いた。
豪速で解き放たれたそれは、激しい波動を巻き起こしながら、眼前にいる近衛兵達を次々と瞬時に薙ぎ倒していく。
それをまともにくらえば、打撲どころでは済まないだろう。
それは、まさに一瞬の出来事であった。
気が付けば、十数人はいただろう近衛兵達が、皆そろって床にひれ伏して苦痛にうめいているではないか・・・・。
「魔物に命を取られるよりは、ましだと思えよ」


