何をも見ることのできぬ漆黒の闇の中を、俊足で走り抜けながら、彼の声に呼応するようにラレンシェイは大きく叫んだ。
その次の瞬間だった。
光を持たぬはずの深い闇に、夜空に浮かぶ三日月の如き金色の細い煌(きらめ)きが、不意に伸び上がったのである。
その向こう側に、ゆっくりと浮かび上がる、透き通るような蒼銀の髪。
時に、美しいとさえ形容される雅やかで秀麗なその顔を厳(いかめ)しく歪め、禍々しくも神々しく輝く深紅の瞳で、真っ直ぐにこちらを見つめている。
彼の肢体を取り囲む、蒼き閃光を纏う風。
間違いない、それは、蒼き魔狼(ロータス)一族の大魔法使い(ラージ・ウァスラム)スターレットの姿であった。
「・・・・・ラレンシェイ!そこにいるのか!?」
大きくはっきりと聞こえてきた彼の声に、ラレンシェイは、僅かに嬉々とした表情をすると、次第に近づいてくる彼に向かって叫び返したのである。
「私だ、ラレンシェイ・ラージェだ!おぬしの姿、見えているぞ!!」
そんな彼女の声が、結界の外にいた雅な大魔法使いスターレットの耳にも確実に届いた。
彼女からはこちらが見えている様子、だが、彼からは、夜の闇に曇る果てしない草原の風景しか見ることはできない。
魔王の城の微かな気配を追ってたどり着いたのは、王都リタ・メタリカの南方にある港町サフィームの断崖を望む広大な草原であった。
流石の彼すら破ることのできない暗黒の結界を、何とか少しでも裂くべく、封魔の呪文を口にして幾度目か・・・・
闇を作り出す魔物の力が、僅かに弱ったのか、城を包む結界に小さな亀裂が出来たとみえる。
その次の瞬間だった。
光を持たぬはずの深い闇に、夜空に浮かぶ三日月の如き金色の細い煌(きらめ)きが、不意に伸び上がったのである。
その向こう側に、ゆっくりと浮かび上がる、透き通るような蒼銀の髪。
時に、美しいとさえ形容される雅やかで秀麗なその顔を厳(いかめ)しく歪め、禍々しくも神々しく輝く深紅の瞳で、真っ直ぐにこちらを見つめている。
彼の肢体を取り囲む、蒼き閃光を纏う風。
間違いない、それは、蒼き魔狼(ロータス)一族の大魔法使い(ラージ・ウァスラム)スターレットの姿であった。
「・・・・・ラレンシェイ!そこにいるのか!?」
大きくはっきりと聞こえてきた彼の声に、ラレンシェイは、僅かに嬉々とした表情をすると、次第に近づいてくる彼に向かって叫び返したのである。
「私だ、ラレンシェイ・ラージェだ!おぬしの姿、見えているぞ!!」
そんな彼女の声が、結界の外にいた雅な大魔法使いスターレットの耳にも確実に届いた。
彼女からはこちらが見えている様子、だが、彼からは、夜の闇に曇る果てしない草原の風景しか見ることはできない。
魔王の城の微かな気配を追ってたどり着いたのは、王都リタ・メタリカの南方にある港町サフィームの断崖を望む広大な草原であった。
流石の彼すら破ることのできない暗黒の結界を、何とか少しでも裂くべく、封魔の呪文を口にして幾度目か・・・・
闇を作り出す魔物の力が、僅かに弱ったのか、城を包む結界に小さな亀裂が出来たとみえる。


