「まさか、アランの連れがリタ・メタリカの姫君だなんて・・・
あら、まぁまぁ・・・美しいお髪(ぐし)がこんなに埃をかぶっておられる・・・先刻の盗賊どもとの格闘のせいですね」
「よく侍女にも叱られていました。武芸を習うたびに埃にまみれていましたから」
綺麗な桜色の唇で、リーヤの紡いだその言葉に、メテリは、驚いたように目を丸くすると、ひどく感心したように声を上げたのである。
「まぁ!だからあれほど、お強かったのですね?」
「王宮では誰も誉めてはくれませんでしたが・・・・」
肩で小さくため息をつきながら、さほど広くない粗末な部屋の中をゆっくりと見回した時、リ タ・メタリカの姫君は、ふと、ある事に気付いて、大きな紺碧色の瞳をぱちぱちと瞬きさせたのだった。
つい先程まで窓際にいた、あの口の悪い魔法剣士の姿がそこに無い。
髪を梳くメテリを僅かに振り返ると、リーヤは、彼女に聞くのだった。
「・・・・ジェスターは、どこへ行ったのです?」
「ジェスター・・・・?ああ、アランの事ですね?さっき外の方へ行きましたけど・・・」
メテリの口から再び出たその聞き慣れない彼の呼び名に、怪訝そうに綺麗な眉を寄せると、リーヤは、率直な疑問を、髪を梳き続ける彼女にぶつけたのだった。
「何故、貴女たちはジェスターをアランと呼ぶのです?」
姫君のその質問に、メテリは、ほんの少しだけ恰幅のいい肩をすくめると、やけに静かな口調で答えて言うのだった。
「アランデューク・・・これが、彼の本当の名ですのよ・・・・
私達ローディ一家は、エトワーム・オリアの出です・・・あの子も、五つの頃から、ずっと、エトワーム・オリアで育ちました・・・」
「エトワーム・オリア?」
「はい・・・・」
あら、まぁまぁ・・・美しいお髪(ぐし)がこんなに埃をかぶっておられる・・・先刻の盗賊どもとの格闘のせいですね」
「よく侍女にも叱られていました。武芸を習うたびに埃にまみれていましたから」
綺麗な桜色の唇で、リーヤの紡いだその言葉に、メテリは、驚いたように目を丸くすると、ひどく感心したように声を上げたのである。
「まぁ!だからあれほど、お強かったのですね?」
「王宮では誰も誉めてはくれませんでしたが・・・・」
肩で小さくため息をつきながら、さほど広くない粗末な部屋の中をゆっくりと見回した時、リ タ・メタリカの姫君は、ふと、ある事に気付いて、大きな紺碧色の瞳をぱちぱちと瞬きさせたのだった。
つい先程まで窓際にいた、あの口の悪い魔法剣士の姿がそこに無い。
髪を梳くメテリを僅かに振り返ると、リーヤは、彼女に聞くのだった。
「・・・・ジェスターは、どこへ行ったのです?」
「ジェスター・・・・?ああ、アランの事ですね?さっき外の方へ行きましたけど・・・」
メテリの口から再び出たその聞き慣れない彼の呼び名に、怪訝そうに綺麗な眉を寄せると、リーヤは、率直な疑問を、髪を梳き続ける彼女にぶつけたのだった。
「何故、貴女たちはジェスターをアランと呼ぶのです?」
姫君のその質問に、メテリは、ほんの少しだけ恰幅のいい肩をすくめると、やけに静かな口調で答えて言うのだった。
「アランデューク・・・これが、彼の本当の名ですのよ・・・・
私達ローディ一家は、エトワーム・オリアの出です・・・あの子も、五つの頃から、ずっと、エトワーム・オリアで育ちました・・・」
「エトワーム・オリア?」
「はい・・・・」


