彼女が足を踏み出す度に、足首に巻かれた銀鈴(ぎんれい)のアンクレットが、落日の光が照らし出す暮れかけた街道に、しゃらりと、涼しやかな音を響かせていた。
へディートと同じ長く艶やかな琥珀色の髪と、そして、どこか憂いを秘めた茶色の瞳を持つ美しい踊り子。
繊細で清楚な面持ちを持つ彼女の姿を目にしたとたん、茜に染まる落日の光を受けたジェスターの端正な顔に、ふと、切なさにも似た言い知れぬ複雑な表情が浮かんだのである。
燃え盛る炎のような鮮やかな緑玉の瞳が、風に揺れる栗毛の前髪の下で細められた。
彼女は、彼から少し離れた場所で立ち止まると、琥珀色の長い髪を虚空に棚引かせ、やけに落ち着いた静かな声で言うのだった。
「貴方なら、きっとどこかで、生きていると思っていたわ・・・・・」
「・・・・・イリーネ」
意図して低められたジェスターの声が、その美しい踊り子の名を呼んだ。
懐かしい彼の声に、彼女は、憂いを含んだ微かな笑を、紅の引かれた綺麗な唇に浮かべたのである。
そんな両者の合間に漂うどこかただならぬ空気に、リーヤは、何故かますます難しい顔をする。
彼らの間に何があったか、リタ・メタリカの姫には測りかねるが、二人が知り合いであることは明白な事実であろう。
それに・・・・
先程、イリーネの妹であるへディートと言う名の踊り子は、ジェスターをアランデュークと呼んだ・・・・
それが一体何を意味しているのか、今のリーヤには全く見当もつかない。
鮮やかな茜に染まる天空に、棚引く雲が、一際強く吹き付けた青い風に千切れて、大陸の彼方へと押し流されていく。
落日の太陽が、その日最後の艶やかな輝きを放ちながら、静かに西に落ち行く時、にわかに起こったそれが出来事であった。
へディートと同じ長く艶やかな琥珀色の髪と、そして、どこか憂いを秘めた茶色の瞳を持つ美しい踊り子。
繊細で清楚な面持ちを持つ彼女の姿を目にしたとたん、茜に染まる落日の光を受けたジェスターの端正な顔に、ふと、切なさにも似た言い知れぬ複雑な表情が浮かんだのである。
燃え盛る炎のような鮮やかな緑玉の瞳が、風に揺れる栗毛の前髪の下で細められた。
彼女は、彼から少し離れた場所で立ち止まると、琥珀色の長い髪を虚空に棚引かせ、やけに落ち着いた静かな声で言うのだった。
「貴方なら、きっとどこかで、生きていると思っていたわ・・・・・」
「・・・・・イリーネ」
意図して低められたジェスターの声が、その美しい踊り子の名を呼んだ。
懐かしい彼の声に、彼女は、憂いを含んだ微かな笑を、紅の引かれた綺麗な唇に浮かべたのである。
そんな両者の合間に漂うどこかただならぬ空気に、リーヤは、何故かますます難しい顔をする。
彼らの間に何があったか、リタ・メタリカの姫には測りかねるが、二人が知り合いであることは明白な事実であろう。
それに・・・・
先程、イリーネの妹であるへディートと言う名の踊り子は、ジェスターをアランデュークと呼んだ・・・・
それが一体何を意味しているのか、今のリーヤには全く見当もつかない。
鮮やかな茜に染まる天空に、棚引く雲が、一際強く吹き付けた青い風に千切れて、大陸の彼方へと押し流されていく。
落日の太陽が、その日最後の艶やかな輝きを放ちながら、静かに西に落ち行く時、にわかに起こったそれが出来事であった。


