初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~

「なあ、大丈夫か?」
追いかけてきた社長。
「大丈夫ですから、来ないでください」
悔しくて、情けなくて、涙が出てしまった。

「具合が悪いなら、病院に行くか?」
「結構です。放っておいてください」
八つ当たりと分かっていて、叫んでしまった。

具合なんて悪いわけない。
ただ酔っ払って、醜態をさらしただけ。

「とにかく、どこかで着替えよう」
着ていた上着を脱ぎ、私に掛けようとする。

「お願いですから、1人にしてください」
不覚にも泣き出してしまった。