私は結婚して初めて龍之介と喧嘩をしてしまった。
夫婦げんかと言うよりも、樹里ちゃんも交えての親子喧嘩。
いつもは優しい龍之介も怒っていたし、
気の強い樹里ちゃんもひかないし、
本当は間に入らないといけない私も、樹里ちゃんと一緒に叱られたことが不満だった。
頭を冷やそう。
単純にそう思った。
別に深い意図があったわけではない。
財布と携帯を持って家を飛び出し、近くのコンビニに行くつもりだった。
そこで頭を冷やせば冷静になれると考えていた。
「未来」
突然背後からかかった声。
ええ?
振り返ると、見知った顔があった。
「祐介くん。久しぶり」
そこにいたのは大学時代のバイト仲間。
川島祐介くん。
大学は違ったし、バイトもたまに会うくらいだったけれど、虹子も交えて何度か遊びに出かけた。
バイトに明け暮れた私の大学時代にとって、唯一の楽しい思い出かもしれない。
「珍しいな、1人?」
「うん」
祐介くんも1人みたい。
180センチ超えの身長と鍛えられた体。
25歳。同い年とは思えない落ち着きをまとっている彼。
まあ、国会議員の秘書なんてしていればそうなるのかもしれないわね。
「今日はお休み?」
「ああ、龍之介さんもだろ?」
「う、うん」
暗い表情になったことに自分でも気づいていた。
「未来、コーヒー飲むか?」
「え?」
「おごってやるよ。家では玲奈がいてコーヒーが飲めないから」
「あ、うん。ありがとう」
私達はコンビニのホットコーヒーを買って近くのベンチに座った。
夫婦げんかと言うよりも、樹里ちゃんも交えての親子喧嘩。
いつもは優しい龍之介も怒っていたし、
気の強い樹里ちゃんもひかないし、
本当は間に入らないといけない私も、樹里ちゃんと一緒に叱られたことが不満だった。
頭を冷やそう。
単純にそう思った。
別に深い意図があったわけではない。
財布と携帯を持って家を飛び出し、近くのコンビニに行くつもりだった。
そこで頭を冷やせば冷静になれると考えていた。
「未来」
突然背後からかかった声。
ええ?
振り返ると、見知った顔があった。
「祐介くん。久しぶり」
そこにいたのは大学時代のバイト仲間。
川島祐介くん。
大学は違ったし、バイトもたまに会うくらいだったけれど、虹子も交えて何度か遊びに出かけた。
バイトに明け暮れた私の大学時代にとって、唯一の楽しい思い出かもしれない。
「珍しいな、1人?」
「うん」
祐介くんも1人みたい。
180センチ超えの身長と鍛えられた体。
25歳。同い年とは思えない落ち着きをまとっている彼。
まあ、国会議員の秘書なんてしていればそうなるのかもしれないわね。
「今日はお休み?」
「ああ、龍之介さんもだろ?」
「う、うん」
暗い表情になったことに自分でも気づいていた。
「未来、コーヒー飲むか?」
「え?」
「おごってやるよ。家では玲奈がいてコーヒーが飲めないから」
「あ、うん。ありがとう」
私達はコンビニのホットコーヒーを買って近くのベンチに座った。