初恋 ～頑張る女子と俺様上司の攻防戦～

「樹里、あなたのママのことは気の毒だと思うけれど、運命だったのよ」
お母様は諭すように言うけれど、
「運命？ふざけないで」

ガシャッーン。
近くにあったグラスを床に投げつける樹里ちゃん。
うわー、この子相当激しい。

ガラスを拾おうと立ち上がった私。
「未来、かまうな」
龍之介さんに止められた。
でも、
「危ないから」
私はガラスのかけらを集めると、台所へ片付けに行った。

本当は、ここから逃げ出したかった。
この話し合いに加わりたくなかった。