「これが?」
何なんですかと、五月さんを見た。

「これがって、社長のことでしょ」
へっ、社長?
「龍之介、ですか?」
「こら、ここは会社」
ああ、
「すみません、つい」

五月さんは私と龍之介の関係を知っている。
もちろん、私は隠そうとしたけれど龍之介の態度でバレてしまった。

「相手の社長令嬢って、上島さんの事でしょ?」
五月さんは記事に見入っている。