乗せられたのは社長の車。
助手席のシートを倒し、横にならせてもらった。

「大丈夫か?吐きそうなら、ゴミ袋があるから」
「大丈夫。今は頭が痛いだけだから」
「病院に行こうか?」
「いらない」
首を振った。

「熱は?」
私が答えるより早く、コツンとおでこを当てた社長。
「少し熱いな」
「週末から微熱が」
あー、また余計なことを言ってしまった。

「分かったから、今は寝ていろ。話は明日だ」

車に積んであったハーフケットを掛けてもらいエンジンがかかると、私はすぐに眠ってしまった。