その時、オレンジジュースの香りがした。


「え…」
涙が、知らない間に流れていた。
紙にこびり付いたオレンジジュースの跡に、私の涙が重なった。
自殺じゃ、なかった…。

那央も生きたかったんだ。


その時風に煽られて、オレンジジュースの香りがした。