「誰よ!言いなさいよ!」

「言わねぇよ。お前なんかに!」

「あ、わかっちゃった〜!」

彼女が指差した。

その方向を見ると、1人黙々と本を読むクラス1の地味な女子、矢中真子だ。

「だってあの子クラスのモテ男子の角谷健太くんの隣になって妙にぶりっ子しちゃって。
健太くんああいうのタイプだったりして〜。」

俺もなぜか頭にきてつい、

「そうだよ。あの子だよ。お前よりよっぽどいい子じゃねえか。」

待てよ、俺なに言ってるんだ。

俺あの子と喋ったのまだ2、3回程度だぞ。