薄暗い空間にカラフルな照明が男女をランダムに照らす。
思考を停止させる様な大きな音が身体中を駆け巡り、胸で何度もリズムを打つ。
薄暗い大きな鏡の前でお化粧の最終チェックと香水をひとふり。
携帯以外を全てロッカーに入れて、鍵を首に掛ける。
バーカウンターでイケメンの店員さんにご挨拶をして、お酒を片手にダンスフロアへ飛び出す。

「今日こそ良い男を捕まえるんだから!」

親友の、いや悪友とでも紹介しておこうか。玲華とはあることから意気投し、そこからはクラブへ一緒に行く仲だ。

「だといいね。土晩だからいい男いるかもよ?」


玲華とはなんて確証のないことを返し、辺りを見渡しながら答える。
基本的に私の目的は踊ることだ。流行りの洋楽やEDMを聴きながら踊りまくる。DJの選曲にテンションを左右されながら、ただひたすらに音楽と戯れるのだ。