人魚の眠る街

桜が咲き誇る歩道をてくてくと歩いていく。家は駅から近かったし、学校までも歩いて5分くらいだから、登校は苦にならないな、と思った。

校門をくぐると、すぐそこに学級名簿が大きくコピーされたものが乗っていて、自分の名前を探し、靴を履き替えた。
教室は４階、筋肉のない私には、少し辛かった。

人がまばらな教室。担任の先生だと思われる人が、の私が名前を言うとすぐに席を案内してくれた。

窓側の前から5番目だった。
窓からは、桜が散るのが良く見えた。