トンネルの中は、普通の民家のような作りになったいた。しっかりと木で壁や床があり、至る所に魔法によりランプに明かりが灯っていたので明るい空間になっていた。
けれど、部屋は乱雑になっており、武器や食材、本などが置かれていた。衣服などは男物が多かったが、女性がいるのもわかっていた。
トンネル内を見ていくと、大勢が暮らしているのもわかった。そして、コメットがいかに大きな組織になっているのかも思い知らされた。
「ここら辺に居た奴らは、外に出たみたいだな。」
「あぁ…………。だが、このトンネルがどれぐらい深くまで続いているかわからない。気をつけて行くぞ。」
セリムの声にミツキは頷き、剣を握りしめなぎら次の部屋へのドアを開けた。
すると、それと同時に光が見えた。
ミツキはすぐに魔法だとわかったが、避ける時間などない。何かが来るとわかりながらも、目を瞑るしか出来なかった。
けれど、その光が一瞬にして消えていったのだ。ミツキは驚き、辺りを見渡した。すると、広い部屋に黒い服を来たコメットの男達が、ミツキを驚いた表情で見つめていた。
「あいつ………魔法を………。」
「対魔法の宝石を持ってやがるんだな………やっかいな………。」
「仕方がない。そのまま囲んで捕まえろ。殺してもかまわない。」
そこに居たコメットの中でもリーダー各の男が指示を飛ばすと、一斉にセリムとミツキに襲いかかってきた。
「……おまえ、宝石がなかったら死んでいたぞ。」
「………あぁ、気を付ける。」
「私がエルハム様を助けるから、おまえはどうなってもいいがな。」
セリムはニヤリと笑いながら細い剣を抜刀して、コメット相手に剣先を向けた。
ミツキより先に敵元に飛び込み、次々に相手を斬り、敵を地面に沈めていく。けれど、どれも命を奪うほどの殺傷力はなく、戦力としてまた立ち上がれない程度のものだった。峰打ちで気を失わせたりもしており、戦闘に慣れている様子が伺われた。
ミツキはそれを見て、頼もしく思いながらその戦闘に加勢した。
ミツキが加わったことで、あっという間にその部屋のコメットは倒れた。
そのままにして行きたい気持ちもあったが、逃げ出したり、また不意打ちをされても困るため縄で括り、動けないようにした。