そして、エルハムはミツキが異世界から来た事、そしてその事について書かれている書籍がチャロアイトの図書館にあるかもしれない、と言う事を彼女に伝えた。


 「エルハム様。………確かに、私はコメットを、両親を殺した人を早く見つけて欲しいと強く思っています。エルハム姫様への希望はそれが最優先です。」
 「そうよね。それが当たり前だわ。」
 「けど、エルハム様ご自身への願いは、やらなければいけないと思ったことを今やるべきだと、思います。私の両親のように、急にいなくなってしまい、叶えられなくなる想いも沢山あるのです。だから、エルハム様が大切にしている人のために、やるべきだと思った事は、今やった方がいいと思うのです。」
 「セイ………ありがとう。あなたは本当に優しいわ………。」


 自分の気持ちを理解してくれる人がいる。
 そして、エルハムのやろうとしている事を1番に非難していい彼女が気持ちをわかって、背中を押してくれるのがエルハムは心強かったのだ。


 「そうよね。ミツキが急にいなくなってしまったり、私が襲われたりしたら出来なくなってしまうわね。」
 「エルハム様がチャロアイトに向かったら、それでけで注目を浴びてしまいますね。コメットをすぐに気づくでしょうし、危険があると思います。……………あ、そうです!いい方法があります。」


 セイは何かひらめいたのか、独り言を言いながらベットから立ち上がり、棚から自分の洋服を取り出した。
 そして、エルハムに両手で自分の洋服を差し出したのだ。
 エルハムは彼女の考えがわからず、その服を見つめながら首を傾げた。

 すると、セイは少しだけ微笑み、ある考えを教えてくれた。