「いて。」




低い声で、その人はつぶやいた。




「すいません!」



私はあわててあやまり


顔をあげた。








そう、






彼だった。












心臓がはりさけそうになった。




「本当にすいません。」




とにかくあやまらないと。


「いいよ。別に。」



彼はそういって



次の駅で降りていった。




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