もしも、違う形で出会っていたなら、


もっと仲良くなれたのだろうか。


もしも、違う形で出会っていたなら、


あんなひどいことは起こらなかったのか。


最初、出会ったとき、


あなたはとてもユニークで面白い人だと思った。


本当は仲良くなりたいと


思っていたのかもしれない。


あなたに好かれたいと


思っていたのかもしれない。


だから、私は期待してしまった。


あなたに変な幻想を抱いてしまった。


もちろん、理想通りに行くはずもない。


真面目で面白くない自分みたいなやつは、


見向きもされない。


本当は分かっているはずなのに、


そのくせ一人で勝手に傷付いて、


どこかで被害者面をしていた。


迷惑極まりないやつだ。


そんなやつと友達になりたいという人が


どこにいたというのだろう。


しかし、あなたは


私が腹いせにひどい言葉を吐いてしまっても、


最後まで優しいままだった。


こんな最低なことをしたのだから、


悪口や陰口をTwitterの裏アカで呟いたり、


私が言った以上にひどい言葉を


ぶつけてくれれば良かったんだ。


あんな最低なことをした人間が、


優しくされる義理はどこにもないのだから。


後悔と寂しさで一人泣きじゃくった後は、


ずっと、逃げて逃げて、逃げることの繰り返し。


そんな心が重く沈むような昔の出来事も、


今となっては数年前に歩いた


道に残る足跡に過ぎない。



もしも、違う形で出会っていたなら、


もっと仲良くなれたのだろうか。


もしも、違う形で出会っていたなら、


あんなひどいことは起こらなかったのか。



あれ以来抱き続けた疑問の答え。


あなたも私も、第3者も、


それを知る人はこれからもいないままだろう。