涙のち、銃声



早苗さんの話題になるとやっぱり俺の口から出るのは・・


「てっきり真田さんと“出来てる”って思ってたのになぁ。」


「もうそれ聞き飽きた。
俺とあいつは別に何も無いって。」


「でもうちの職場で唯一、真田さん家の場所知ってる人じゃないですか?」


「だからそれは、昔コンビ組んでた時にちょいちょい俺ん家で、

徹夜で事件の推理してただけだって。」


「でもその時って、
シャワー浴びたんでしょ?」


「浴びたよ。」


「じゃあ早苗さんのスッポンポン見たことあるって事じゃないですか?」


「バカ。どこの世界に同僚の前でバスタオルも巻かずに歩き回る女がいるんだよ。」



何度も繰り返し教えてもらったけど未だに信じられない。


無類の女性好きスケベ刑事が、

ウチの署で・・いや全国でも負けない美人を前に手を出さないはず無いのに・・。


この人の、仕事とプライベートをバッサリ切り分けるスタイルはまさしく“プロ”だった。