涙のち、銃声



「1点目なんだけど・・・

タク坊はなんで襲撃事件に参加しなかったのか。」


「・・・・確かに・・・。

川辺課長の話だと、桐谷家を訪問する度いつも突っかかってくる程、

桐谷の事を慕っていたのが垣間見える男ですもんね。」


「桐谷ヒロコの復讐ってなれば、真っ先に大石家に突っ込んでいきそうって川辺さんも言ってた。」



「う~~~~ん・・・・・一旦置いておいて・・・2点目はなんですか?」


「どうして桐谷ダイチは当時、
村山セイコを殺さなかったか。

奥さんの復讐という意味では、

その相手となるのは轢き殺した大石シンヤ、
罪を隠蔽した大石市長、

そしてシンヤの車に同乗していた村山も含まれると思うんだけど・・。」


「それは簡単ですよ。」


「あれ?そうか?」


「きっと、“知らなかった”んですよ。

交通課に残されていた調書見る限り、

村山セイコの存在を暴いたのは、

捜査縮小後もたった1人で捜査を続けていた川辺課長なんですから。


川辺課長も“村山の存在は明かさなかった”って言ってたし、

桐谷は知らなかったんじゃないですか?」