「北大路署長があっさりと権力に屈服して、

川辺課長が唇噛んでる光景が目に浮かびますよ。」


「川辺さんは川辺さんなりに組織に対抗しようとしたんだろ。

だけど全て裏目に出てしまったって所か。」


「アズサを捕まえようにも立証不可だし、

協力者もどうやって探せばいいか糸口が無いし・・・・。八方塞がりっすよ。」



俺達の頭上に“迷宮入り”という文字がぼんやりと浮かぶ。



「小西君よ。こういう時に何か無いの?」


「“何か”というのは・・?」


「いつも思いつきでトンチンカンな事言うのがお前の良いところだろ?」


「ちょ・・俺を大五郎のおっちゃんポジションにするのやめてくださいよ。」


「結局あのアプリも甥っ子に先超されちまったしなぁ。」


「誰が犯人だったんですか?」


「それが聞いてくれよ。

これがまた有り得ないというか、強引すぎるというか・・犯人は・・・・。」


真田さんが教えてくれた名探偵シンイチ君のオチは、

さすが漫画らしいというか、現実にはツッコミどころ満載のトリックだった。


“現実だったら・・”
という話で2人して笑い合う。