保育園から小学校へ。
従業員のみんなはお父ちゃんやお母ちゃん以上に、
『勉強はちゃ~んとやった方がいいですよ!』
『とにかく宿題やっておけば大丈夫っす。
とにかく先公に目つけられたらクソめんどくせぇですから』と言ってくれた。
カエルちゃんが何匹になったか描かれた教科書を見ながら、一緒に頭を悩ませてくれた。
“7の段”が覚えられない私の為に、
息の合っていない大合唱をしてくれた。
漢字を調べる為に辞書を持ってきて、
辞書の引き方を調べる為に、
ご近所へ聞き込みをしてくれた。
ずっとお父ちゃん、お母ちゃん、そして従業員のみんなに囲まれて大人になっていくと思っていた。
ずっとこの幸せが続くと思っていた。
小学校5年生の雨の日、
熱を出して寝ていた私にあの報せが入ってくるまでは・・・。



