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ゴローちゃんをはじめ従業員のみんな、
私の事を“アズサ様”と呼び、
優しく接してくれた。
絵本に出てくるお姫様のような気分を味わっていたと同時に、
無い物ねだりの私はそう呼ばれる事で出来ていたちょっとした“壁”が気になっていたので、
一番新しくウチで働き出したタク坊だけは・・・
「どうぞアズサちゃん!
折り紙で作った鶴です!」
「おいタク坊。
誰に向かって口聞いてる?」
「いいのゴローちゃん。タク坊にそう呼んでってアズサからお願いしたの!」
「ガハハハ!おいタク坊。
今度アズサに折り方教えてやってくれ。」
「きょ・・恐縮っす!」
「さぁ出来たよ!
欲張った奴はぶっ飛ばすから、
ちゃんとみんなで分けること!
・・アズサごめんね、
今日お迎え行けなくて。
火傷しないようにね。」
「「「「「「待ってました!!
姉御のちゃんこ鍋!!」」」」」」



