私の好きな人は遠い人。


その人は私と違って、


いつも明るくてやんちゃで、


たくさんの友人に囲まれている人。


人見知りだってしない、誰とだって話せる。


そんな私の好きな人は、


ずっと遠くに離れている人。




私の好きな人は遠い人。


その人は私と違って、


ちょっとしたことでもニコニコ笑う人。


でも、私は何も知らない。


その人が心の内で何を思っているのか。


言葉は交わさないから、知る由もない。


だから、遠く遠くに離れた人。





私の好きな人は遠い人。


最初はとても怖かった。


きっと何もかもが間逆で、


分かり合えることはないと思っているけど、


いつの間にかずっと目で追っていた。


そんな私の好きな人は、


まだまだ遠くに離れた人。





私の好きな人は遠い人。


でもある日突然、近くにやってきた。


これが自分の勘違いじゃなかったら、


どれほど良かったのだろう。


あなたが私をどう思っているのか


言葉は交わさないから知る由もない。


近いのに遠くに離れた人。




私の好きな人は遠い人。


あなたの笑い声を聞くたびに、


胸はざわざわ、気持ちはそわそわする。


もし、あなたと言葉を交わせたなら、


どんなに楽しいだろう、どんなに心踊るだろう。


そんな私の好きな人は、


今日もまだまだ遠かった。






私の好きな人は遠い人。


この恋がどう終わるのか、私は知らない。


ただ、分かったことはある。


恋は楽しいことばかりではないこと。


きっと、それが実を結んだものだったとしても。


今でも私の好きな人は、


ずっと遠いままだ。




私の好きな人は遠い人。


いつか、この想いを伝えたいと


決心する日は来るのかな。


傷付きたくない、怖いという気持ちに囚われ、


片思いをしては逃げるの繰り返しだった。


今でも私の好きな人は、


やっぱり遠くに離れた人。





私の好きな人は遠い人。


今日、勇気を出して挨拶をしてみた。


とても緊張したけれど、


あなたは挨拶を返してくれた。


相も変わらず話さないままだけど、


そんな私の好きな人に、


今、ちょっぴり近づけた気がした。