◇◇◇



「うーっ、吐きそう……」



少しだけ人が少ない広場に来て、ベンチに横になる隼人。



「大丈夫? なんか買ってこようか?」



一つ目のアトラクションが終わった時にはすでに気持ち悪そうにしてたから、二つ目はかなり無理させてたのだろう。



「ううん、いい」



「何か飲み物とかは?」



「いいから。ここにいてよ」



そう言って彼は私をベンチに座らせ、私の膝の上に頭を乗せた。



「ちょっ、隼人! 人に見られる……」



「やだ?」



うっ、そんな可愛い顔されたら断れないじゃん……。



「わ、分かった」



全く何で私は隼人にこんなに弱いの~!?



「てかこんなに苦手なのにどうして……」



誰かにチケットあげちゃうとかも出来たはずだけど……。



「それは……俺が愛珠と来たかったんだよ」



私の真下からの真っ直ぐな視線とぶつかる。


「なん、で……」



あれ? 何か私、鼓動が速くなってる気がする。



「何でって……」



「あああ、やっぱりいい! 連れてきてくれただけで十分だから!」



うわー、私何でテンパってるの!?

多分これは隼人の顔が整いすぎてるせいだ。うん、きっとそう。

多分女子は隼人と一緒に居ると全員こうなるはず。大丈夫、私は変じゃない。うん!



「ふふっ、そういうとこ。可愛い」



彼の手が顔に伸びてくる。

触れる前に、立ち上がった。



「や、やっぱり飲み物買ってくるね!?」



「えっ!? あっ」