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それから先輩との会話が更に楽しみになった。何故か分からないけど、先輩と話している時間が一番楽しかった。


毎日お昼までの時間を数えて、時間が来ると教室を飛び出した。



「お、はやいね。そうそう、今日はこれがあるぞ~、姉ちゃんのプリン!」



ニヒッと笑いながら先輩がプリンを取り出す。



“ええ、もらって良いの!?”



「おう。姉ちゃんお前のこと覚えてて“あの子に~”って。実の弟よりお前のことだぜー」



そう言って口を尖らせる。



“お姉さん大好き~!”



「あ、お前媚び売ってんな」



“え、違うよ”



「嘘つけ」



少し拗ねたようにそんなことを言う。

仲の良い須貝姉弟が私は好きだ。



お弁当を食べ終え、プリンに手を伸ばす。






「うわ~、おいし~……」






「え」



先輩が目を見開いていた。



「……何?」



「お前、声……!!」



「え? 声?」



「声、出てる!」



「出……て、うわあああ! え、声出てるよね!?」



自分でも驚く。



「おお、出てるな! 良かったなあああ!」



「良かったぁ……!!」



驚く私を先輩は「良かったなあ」と頭を撫でてくれた。