「あれはお母さん達が居たからでしょ?」
「まあ、それは……」
「そこで折れんのかい!」
いや、そこまで言っておいてそこで折れるなよ!
「じゃ、そう言うことだから。よろしく~」
「えっ……」
隼人は何かを言おうとしたが、断念したらしくふーっと息を吐いた。
「りーさんの誕生日いつなの?」
「えーっと10月26日だな、多分」
「多分って……」
「もー、あいつのことは良いから」
もう隼人は別の声色だ。
まあ、今更だけど隼人って意外と甘えた?
こうやって甘えモードに入ると中々抜け出さない。
「愛珠、おいで」
隣に居るのにこれ以上どこに行けと……って、隼人の膝の上!?
隼人はソファーを降りて床の上に座って自分の足の間を叩いている。
「う、うん……?」
隼人が言う場所に座ると、彼に包まれる形になる。
「は、隼人! この体勢なんか恥ずかしいんだけど!」
耐えきれなくなって叫ぶと隼人は全く気にした様子もなく、「別に良いだろ、家なんだし」とさらに私の首元にキスを落とした。