「ありがとうございます。そして大変お騒がせいたしました」
謝る門脇部長に続いて、私も頭を下げた。
私たちが入籍するところをしっかり見届けたい!と言い出したお兄ちゃん。もちろん断ったけれど、市役所に先回りされていた。
玄関先で門脇部長と一悶着あったものの、結局お兄ちゃんに根負けして、私たちはお兄ちゃんの目の前で無事に入籍を済ませた。
市役所を後にすると、玄関先でお兄ちゃんは足を止めた。
「ほら、芽衣! 記念に写真を撮ってやろう。俊也に今日のことを忘れないようにさせないとな。なんせこいつは、プレイボーイと呼ばれていた男だ。この先、芽衣を裏切って他の女にはしる可能性も大いにある」
「おい、昴!」
すかさず突っ込みを入れると、門脇部長は私の肩に腕を回した。
「わっ!?」
突然引き寄せられ、実に色気のない声が漏れる。鼻を掠めたのは、柑橘系の爽やかな香り。
肩に触れるぬくもりに、心臓が忙しなく動き出す。目の前でお兄ちゃんが、鬼の形相になっていることを気にする余裕もないほどに。
謝る門脇部長に続いて、私も頭を下げた。
私たちが入籍するところをしっかり見届けたい!と言い出したお兄ちゃん。もちろん断ったけれど、市役所に先回りされていた。
玄関先で門脇部長と一悶着あったものの、結局お兄ちゃんに根負けして、私たちはお兄ちゃんの目の前で無事に入籍を済ませた。
市役所を後にすると、玄関先でお兄ちゃんは足を止めた。
「ほら、芽衣! 記念に写真を撮ってやろう。俊也に今日のことを忘れないようにさせないとな。なんせこいつは、プレイボーイと呼ばれていた男だ。この先、芽衣を裏切って他の女にはしる可能性も大いにある」
「おい、昴!」
すかさず突っ込みを入れると、門脇部長は私の肩に腕を回した。
「わっ!?」
突然引き寄せられ、実に色気のない声が漏れる。鼻を掠めたのは、柑橘系の爽やかな香り。
肩に触れるぬくもりに、心臓が忙しなく動き出す。目の前でお兄ちゃんが、鬼の形相になっていることを気にする余裕もないほどに。



