そのためにも門脇部長は最適だと思った。……だけどさっきの両親たちとのやり取りが引っかかる。
門脇部長は、いったい何者なの? 私に結婚を申し込んだ本当の意図はなに? 彼の言うようにただ、両親に早く結婚しろと急かされていただけ?
一年間、同じ職場で仕事をしてきた。門脇部長のことなら多少なりとも知っているつもりだったけれど……私が知る彼は本当の彼じゃないのだろうか。
できるなら今すぐにでも事の真相を聞きたいところだけど、さっき『あとで説明するから、今は話を合わせて』と言われてしまった手前、今はおとなしくしているしかない。
お父さんの話に耳を傾けた。
「昴ではないが、まだ母方の性を名乗り仕事を続けるのかい?」
「はい、もうしばらくはそのつもりです。……父もしっかり下積みを詰めと言っていますし」
「そうか。本当に昴に俊也君の爪の垢を煎じて飲ませたいな」
感心するお父さんに、またお兄ちゃんは不機嫌な声を上げた。
「父さん? 俺だって俊也に負けないくらい成績を上げているだろ? むしろこいつに俺の爪の垢を飲ませるべきだ」
門脇部長は、いったい何者なの? 私に結婚を申し込んだ本当の意図はなに? 彼の言うようにただ、両親に早く結婚しろと急かされていただけ?
一年間、同じ職場で仕事をしてきた。門脇部長のことなら多少なりとも知っているつもりだったけれど……私が知る彼は本当の彼じゃないのだろうか。
できるなら今すぐにでも事の真相を聞きたいところだけど、さっき『あとで説明するから、今は話を合わせて』と言われてしまった手前、今はおとなしくしているしかない。
お父さんの話に耳を傾けた。
「昴ではないが、まだ母方の性を名乗り仕事を続けるのかい?」
「はい、もうしばらくはそのつもりです。……父もしっかり下積みを詰めと言っていますし」
「そうか。本当に昴に俊也君の爪の垢を煎じて飲ませたいな」
感心するお父さんに、またお兄ちゃんは不機嫌な声を上げた。
「父さん? 俺だって俊也に負けないくらい成績を上げているだろ? むしろこいつに俺の爪の垢を飲ませるべきだ」



