「もっと俊也さんと一緒にいたいです」

「芽衣……」

言ってしまった。でも言わずにはいられなかった。やっと大好きな俊也さんと気持ちが通じ合えたんだもの。今夜だけはずっと一緒にいたい。

だけどなにも言ってくれないと、居たたまれなくなる。迷惑だったかな。

彼の袖を掴む力が強まった時、俊也さんは「勘弁してくれ」と言いながらその場にしゃがみ込んだ。

「え、俊也さん?」

目線を合わせるように私も膝を折ると、彼は恨めしそうに私を見る。

「俺だってできることならこのまま芽衣を連れ帰って、めちゃくちゃに抱きたいよ。……だけどキミのご両親にまだ許しをもらっていないんだ。そもそも俺、ご両親に認めてもらってから芽衣に気持ちを伝えるという約束を破ったし」

「え……えっ?」

話が見えず、頭にハテナマークが並ぶ。

すると俊也さんは私の身体を引き寄せた。

「本当はもっと前から自分の気持ちに気づいていたんだ。……芽衣とはちゃんとしたかったから、まずはご両親に筋を通すのが先だと思って。でも門前払いされたままなんだ」

そうだったんだ……。

彼の想いに胸が熱くなる。