旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~

「嘘じゃない。……芽衣が信じてくれるまで、何度だって伝える。……愛してる、芽衣。俺とこの先の長い人生、共に歩んでほしい。……キミともう一度恋したい。最初から始めたいんだ」

真剣な瞳が私を射貫く。

本当なの? 俊也さんが言っていることは。私ともう一度恋したいだなんて――。

何度も彼の言葉が頭の中でリピートされ、熱い涙が零れ落ちる。

「私のこと……姫乃さん以上に、好きになってくれたんですか……? 私は姫乃さんに勝てたのでしょうか?」

ちゃんと聞かないと安心できない。姫乃さんと俊也さんの過去を知っているからこそ。

ふたりは固い絆で結ばれていたはず。その絆よりも私の存在が彼の中大きいのか不安だから。
俊也さんは私の目から零れる涙を掬った。

「勝ち負けなんてないよ。……俺は気づけなかっただけで、きっと結婚する前から芽衣のことを愛していたんだ。だってそうだろ? 離婚を切り出されて苦しかった。……今、こんなにも芽衣が愛しくてたまらない。キミが好きだよ、愛してる」

「俊也さっ……!」

最後まで声が続かず、私は彼にしがみついた。