食後、リビングのソファに座って求人サイトを眺めていると、帰宅したお兄ちゃんが、いつの間にか背後からスマホ画面を覗いていた。
「求人サイトって……なんだ、芽衣。お前転職するつもりなのか?」
びっくりして肩を震わせながら振り返ると、ネクタイを緩めながらお兄ちゃんが聞いてきた。
「だったらうちの会社に来たらどうだ?」
「え、うちの会社って……お父さんの会社?」
「あぁ。身内だと知られたくないなら旧姓で働けばいい」
今まで考えもしなかった。お兄ちゃんと一緒にお父さんの会社で働くことを。
すると家政婦さんが帰宅したため、代わりにキッチンでお兄ちゃんの食事の用意をしていたお母さんが話に入ってきた。
「それはいい話だわ。私もずっと考えていたの。だっていずれ俊也君がアオノの社長に就くんでしょ? ……彼の下で芽衣さんを働かせたくないもの」
俊也さんとの一件以来、お母さんの彼に対する態度がガラリと変わった。こうして俊也さんのことを悪く言うこともしばしば。
「求人サイトって……なんだ、芽衣。お前転職するつもりなのか?」
びっくりして肩を震わせながら振り返ると、ネクタイを緩めながらお兄ちゃんが聞いてきた。
「だったらうちの会社に来たらどうだ?」
「え、うちの会社って……お父さんの会社?」
「あぁ。身内だと知られたくないなら旧姓で働けばいい」
今まで考えもしなかった。お兄ちゃんと一緒にお父さんの会社で働くことを。
すると家政婦さんが帰宅したため、代わりにキッチンでお兄ちゃんの食事の用意をしていたお母さんが話に入ってきた。
「それはいい話だわ。私もずっと考えていたの。だっていずれ俊也君がアオノの社長に就くんでしょ? ……彼の下で芽衣さんを働かせたくないもの」
俊也さんとの一件以来、お母さんの彼に対する態度がガラリと変わった。こうして俊也さんのことを悪く言うこともしばしば。



