俊也さんは会社の後継者だもの。結婚して後継ぎを作ることも大切なことだよね。だからご両親から結婚を急かされていたわけだし。
自分でも願っていたじゃない。俊也さんにいつか、姫乃さん以上に愛することができる人との出会いがあれば……と。それなのに……っ!
時間が経てば、忘れられると高を括っていたけれど無理な気がする。
だって離れても同じ会社に勤めている限り、どうしても目で追ってしまうもの。彼の言動ひとつに、こんなにもまだ胸を苦しくさせられている。
会議は時間通り終了し、みんな次々と会議室から出ていく。私も荷物をまとめて席を立った時、俊也さんに呼び止められた。
「姫野、ちょっといいか?」
彼に呼ばれ、ビクッと身体が反応してしまう。それでも平静を装った。
「はい、なんでしょうか」
彼の元へ歩み寄ると、USBメモリを渡された。
「競合店の今後のキャンペーン情報をまとめてある。それを見て対策案を提出してくれ」
「わかりました」
仕事のやり取りなのに、ズキズキと胸が痛んで仕方ない。早くこの場から立ち去りたい一心で、頭を下げて会議室を後にした。
自分でも願っていたじゃない。俊也さんにいつか、姫乃さん以上に愛することができる人との出会いがあれば……と。それなのに……っ!
時間が経てば、忘れられると高を括っていたけれど無理な気がする。
だって離れても同じ会社に勤めている限り、どうしても目で追ってしまうもの。彼の言動ひとつに、こんなにもまだ胸を苦しくさせられている。
会議は時間通り終了し、みんな次々と会議室から出ていく。私も荷物をまとめて席を立った時、俊也さんに呼び止められた。
「姫野、ちょっといいか?」
彼に呼ばれ、ビクッと身体が反応してしまう。それでも平静を装った。
「はい、なんでしょうか」
彼の元へ歩み寄ると、USBメモリを渡された。
「競合店の今後のキャンペーン情報をまとめてある。それを見て対策案を提出してくれ」
「わかりました」
仕事のやり取りなのに、ズキズキと胸が痛んで仕方ない。早くこの場から立ち去りたい一心で、頭を下げて会議室を後にした。



