家族四人での生活は、最初はぎこちなかったものの、少しずつ本当の家族に近づけている気がする。
お母さんとは今もやっぱり敬語で話しちゃうけど、会話が増えた。
忙しいはずなのに、できるだけ家族の時間を大切にしてくれている、お父さんとお兄ちゃんのおかげでもあると思う。
「そうだ、昴。今度の連休は休みを取れそうか?」
「あぁ、大丈夫だと思うけど……」
「芽衣はどうだ?」
お兄ちゃんに聞いた後、私に聞いてきたお父さん。
「私も休めると思うよ?」
するとお父さんはある提案をした。
「じゃあ家族四人で旅行に行かないか?」
え、旅行?
驚く私とお兄ちゃんを余所に、お母さんは歓声を上げた。
「いいわね、旅行。四人で行ったことないもの。ぜひ行きましょう」
「行き先はどうしようか」
私たちそっちのけで盛り上がる両親に、お兄ちゃんとふたり、顔を見合わせて苦笑い。
でもそっか、家族旅行……。
思えば一度も行ったことがない。亡くなったお母さんとふたりで暮らしていた時は、旅行に行く金銭的余裕なんてなかったし、久我の家に来てからも、行ったことなかったから。
お母さんとは今もやっぱり敬語で話しちゃうけど、会話が増えた。
忙しいはずなのに、できるだけ家族の時間を大切にしてくれている、お父さんとお兄ちゃんのおかげでもあると思う。
「そうだ、昴。今度の連休は休みを取れそうか?」
「あぁ、大丈夫だと思うけど……」
「芽衣はどうだ?」
お兄ちゃんに聞いた後、私に聞いてきたお父さん。
「私も休めると思うよ?」
するとお父さんはある提案をした。
「じゃあ家族四人で旅行に行かないか?」
え、旅行?
驚く私とお兄ちゃんを余所に、お母さんは歓声を上げた。
「いいわね、旅行。四人で行ったことないもの。ぜひ行きましょう」
「行き先はどうしようか」
私たちそっちのけで盛り上がる両親に、お兄ちゃんとふたり、顔を見合わせて苦笑い。
でもそっか、家族旅行……。
思えば一度も行ったことがない。亡くなったお母さんとふたりで暮らしていた時は、旅行に行く金銭的余裕なんてなかったし、久我の家に来てからも、行ったことなかったから。



