旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~

「もし、門脇部長もこれまでの男と同じ理由で芽衣を振ったら、私がたくさん慰めてあげるから」

「……ありがとう、玲子」

玲子の存在が、本当に今の私にとってとても心強い。

「じゃあいつものように振られちゃったら、玲子を頼るからよろしくね」

「了解」

門脇部長がどんな態度に出るかわからないけれど、私は受け止めよう。

そもそも門脇部長と結婚てこと自体が、間違っているようなものだもの。

なんて言い聞かせながら、実際に彼の口から言われた時のことを考えると、胸が痛む。それはきっと今までの男性とは違い、会社の上司でよく知る相手だからだよね?

少しの違和感を拭えないまま、玲子と昼食を済ませ午後の勤務に戻った。



そして迎えた当日。

「門脇部長、まだ来ていないよね?」

スマホで時間を確認すると、約束の三十分前。さすがにまだ来ていないようだ。

待ち合わせは十時半。私の最寄り駅前のロータリー。彼が車で迎えに来てくれることになっている。