恐ろしさを感じさせる瞳を見せたのは、ほんの一瞬だった。

次の瞬間には、もうその色は無くなっていて

「唯望ちゃんね、よろしく。」

霧斗くんの顔には柔らかな笑みが浮かんでいた。

「歓迎会でもする?せっかくだし、俺ピザとってほしいな。」

優しい声で優真くんに尋ねるその声にも、さっきの恐ろしさはカケラも無くて。

この人にどこか、懐かしさを感じた。


「そうだな、デリでもとるか。」

と私に微笑んでくれる優真くんの笑顔が、本当に温かいと思った。