本当は、たくさんしゃべって仲良くなるつもりだった。

でも、イチくんのことが頭から離れなくて、全く話せないまま部屋に着いた。

だからもう、無理だろうなって思ってた。

ここまで送ってきてくれたのは、優真くんのおかげだから、あとは頑張らなきゃって思ってた。

でも、ミオくんは立っていた。

「行くとこ、ねぇんだろ」

「いいの?」

私が聞くと、ミオくんは頷いた。

優真くんは、魔法が使えるのかもしれない。