「アイツの腹違いの兄貴が、敵の族にいるんだ。」 優真くんの言葉の意味が分からなくて、 「もう一声!!」 ヒントを求める。 「だから、ミオはそこに簡単に入れるんだ。」 ミオくんは簡単に敵になれる。 それって 「……ミオくんが、裏切るかもってこと…?」 私1人のせいで? 「本当にミオがここに戻ってこないつもりなら、 そういうことになるな。」 輝月くんの声が、やけに冷たく感じられた。 そうか、ミオくんにはきっと星雅しかないんだ。 いつかの私に、 イチくんしかいなかったように。