「ミオには数えきれないほどの兄弟がいるんだ。」

聞きなれない表現に、ただ事ではないのが伝わってくる。


「しかも…」

と輝月くんが言いかけたところで


「輝月、ミオは星雅の幹部だよ?」


歩希さんが口をはさんだ。


「星雅の幹部の話を、いくら美人っていったって、得体の知れない女に話していいの?」


歩希さんは『得体の知れない女』と言った。

確かに、ミオくんの話は、決して簡単に話していい内容ではなさそうだった。


「得体は知れないが、優真が泊めると言ってんだ。大丈夫だろ。」


「優真もだけど、輝月もおかしいぞ。

俺たちは、星雅を守らないといけねぇんだ。

そこんとこ、自覚あんの?」


「自覚がないのはおまえだ、歩希。

総長の決定は絶対。それが星雅のルールだ。」