「あ、起きた。」

緑の髪の1番幼そうな男の子が言った。

それを合図に他の男の子達も私の顔を覗き込んで来る。

私はソファーで寝かされていた。

ちょ、待て待て。なんだこの状況。

混乱する頭で必死に考える。

もしかして彼らはさっきのバイク軍団??

いわゆる、暴走族??


「おい!おまえらは出てけ!」

奥にいた金髪の男の子が怒鳴って、私の周りにいた男の子達が静かに部屋を出ていく。

こ、こわっ!

「驚かして悪かったな。
気分はどうだ?もう大丈夫か?」

見た目からは想像できないような優しい声で尋ねられる。

左足がちょっと痛いけど…

「大丈夫。」

部屋には、金髪くんと黒髪くんの2人だけが残っていた。

「真っ青になって、倒れてた。」

金髪くんの後ろから静かにのぞく黒髪くんが言う。

「…そっか。助けてくれてありがとう……」

金髪くんが心配そうに覗き込んでくる。

その髪を見て、イチくんを思い出してしまった。

その色が、あまりにもイチくんと似ていたから。