「ん。」

要望通り名前で呼んであげると、少し照れたように缶をくれた。

え。ヤダ。かわいい。

「ありがとー!」

そう言って受けった考えてんだはよく見ると結構いいビールだった。

少なくとも新社会人には週のご褒美レベル。

「なんでこんないいビールがあるの?!」

プルタブに指をかけながら、興奮気味に聞いてみる。

「それ、いいやつなのか?まだあるから飲んでいいぞ」

「ほんと?!うれしい!!」

プルタブを引くとプシュッといい音がした。

「いただきまーす。」

1口含むと、一気に今日の疲れが吹き飛ぶ。

「つまみいる?」

衣蝶くんがナッツやさきいかを出してくれる。

「わーい!いるいる!ありがとう!」

テンションが上がってきた私は、衣蝶くんがジュースを飲んでいるのを確認して2口目を口に含んだ。