「なんか飲むか?」
そう言って衣蝶くんが冷蔵庫から取り出したのは
なんとビール。
「え、ちょっ、衣蝶くん未成年でしょ!!」
ていうかなんであるの?!
「あ?俺は飲まねーって。あれ?唯望もしかして酒ダメだった?」
「や、飲めるけど…」
むしろお酒すきだけど!!
しかもさらっと名前で呼ばれたし。
なんか、変なの。
衣蝶くんがビールの缶を差し出してきて受け取ろうとしたら、
「やっぱダメ。」
急に缶を引っ込めた。
「は?なんで?」
「優真って呼べって言ったじゃん。」
「あぁ、なんだそんなこと。
ビールちょうだい、優真くん。」
大好きなお酒を前に、呼び名なんてどうでもよくなっていた。