ヤバい。

これはヤバい。

いくら年下の男の子だって分かってても

これはヤバいって。


衣蝶くんは普通にドアノブ開けた。

まぁ、そうか。

こんなアラサー目前のおばさんなんか意識しないか。

モノトーンで統一された部屋には

やたら高そうな家具が多かった。

私を革張りの立派なソファーに降ろそうとして


彼の髪がさらりと揺れる。

イチくんとそっくりな色の髪からは


イチくんと同じ香りがした。