題名 夢 中学生になる2人の女の子がいました。 この2人は、いつも一緒でとても仲良しでした。 1人の女の子の名前は、カナといいました。もう1人の女の子の名前はユリといいました。 2人はとても頑張り屋さんでした。勉強もスポーツも大変よくできました。ただ1つだけ違うのは、カナが幼い時父親が亡くなり、母親と2人暮らしで、てつもなく貧乏だったことでした。 ユリはカナとは違いびっくりするほどのお金持ちでした。 カナはユリのことが本当はうらやましくてたまりませんでした。だから勉強もスポーツも負けたくなかったのです。 ユリの筆箱や靴を隠したりしたのはカナでした。でも全然そんな素振りをカナはみせませんでした。ユリが困っている顔が愉快でたまらなかったのです。 でもカナとユリは仲良くしていました。ユリはまったくカナを疑うことなどしなかったからです。 ある日、ユリが真剣な顔をしてカナに話し始めました。あまりの真剣さにカナは、日頃の悪行がばれたのかと不安になりました。 「ねえーカナは夢見る。」 カナはホッとしました。カナの考え違いでした。